『ラスト・ホールド!』監督日誌⑤

真壁幸紀監督Twitter 監督日誌⑤(指針)】

という事で、監督を引き受ける。
まずやる事は、ボルダリングがなんたるかを全く知らない状況からのスタートなので、取材、取材、取材。
日本代表・杉本怜選手をはじめ、選手、協会、ジム、大学サークルの方々など、数多くお話を伺う。

もちろん、自分でも体験。
ボルダリングの大会も見に行く。
とにかく頭で考えず、ボルダリングを身体に浴びる日々。

そんな中で、この映画の輪郭見えてくる。
“熱血スポ根”、とはちょっと違うな、と。
試合は盛り上がるし、とても熱いが、他のスポーツより、”魅せる(見せる)”という事がより強く意識されている事に気付く。
DJが音楽をガンガンにかけている会場で、ライトアップされた色鮮やかな壁を登る。
熱く、魅せる。
僕らはこれを”スタイリッシュ”と呼び、キーワードにして、映画制作をしていく。

『ラスト・ホールド!』監督日誌④

真壁幸紀監督Twitter 監督日誌④(展望)】

あと魅力に感じたのは、この”松竹×ジャニーズ”の映画シリーズ。
アイドル映画というジャンルであろうと、オリジナル作品で、ある程度全国を網羅する50館規模で公開スタート出来る映画は、なかなか昨今ない現状。

このシリーズが今後もずっと続けば、色んな監督がオリジナルで、それぞれのグループを起用して撮る。
単純に映画ファンとして、面白そうだと思ったし、数年後にまた僕の所に「誰々で撮りませんか?」みたいな流れになったら、素敵だな、と。

今回が、関西ジャニーズJr.から続く映画シリーズの第5弾なのだとすれば、ここで失敗するわけにはいかんなぁ、そういう気持ちを多少なりとも持って、制作に向かうのである。
 

『ラスト・ホールド!』監督日誌③

真壁幸紀監督Twitter 監督日誌③(受諾)】

一通り、企画説明を受け、その日は監督を受諾するかは、持ち帰る。
生意気にも「やるか、やらないか?」で一旦悩むのだ。
なぜなら、映画を一本受けるとなると、半年くらいはその事ばかり。

自分の中でモチベーションが保てないと、良い作品にはならないし、自分も含めてみんな不幸になる。
けど企画を聞きながら、中トロ食べてる時から、「やろう」とは思っていた。
まず魅力的だったのは、”オリジナル”であるという事。題材・メインキャストは決まっているが、後は自由、というのは、やり甲斐がある。

ラブストーリー、家族愛、ギャグ、シリアス、どこに振っても良し。
続編を匂わせて終わるのも可。
実際、完成作品と、最初に考えたプロット(草案)は180°違うから、やっぱり面白い。
 

『ラスト・ホールド!』監督日誌②

真壁幸紀監督Twitter 監督日誌②(打診)】

岡村プロデューサーに呼ばれ、銀座の寿司屋へ。早速企画の話へ。
「松竹製作で、本木克英監督らが撮られた関西ジャニーズJr.の映画シリーズが好評である。直接的にその流れを受けて、という事でもないが、今回は関東で、しかもJr.という枠も超えて映画を作りたい」

その時点で決まっていたのは、題材はボルダリング 。
主演はA.B.C-Zの塚田僚一君、共演にSnow Man。脚本は彼らをよく知る、川浪ナミヲさん&高見健次さん。
そしてタイトルは、ラストホールド。

僕は聞く。
「アイドル映画にするんだったら、『A.B.C-ZとSnow Manの〜』とかタイトルにグループ名を入れた方が良くないですか?」
岡村プロデューサー「今回はしない。もちろんアイドル映画なんだけど、ボルダリングのスポーツ映画にもして、ファン以外の人にもアプローチしたい」
「SMAPの『シュート!』みたいな?」
「あれも松竹ですね」

『ラスト・ホールド!』監督日誌①

真壁幸紀監督Twitter 監督日誌①(始動)】

企画者である岡村プロデューサーに出会ったのは、シネマ会という山田洋次監督が主催する、映画人が集う定期的な食事会で。
シネマ会には、山田洋次監督、大林宣彦監督はじめ、泣く子も黙る、錚々たる監督陣がズラり。

僕は本広克行監督に連れられ、会に出席。もちろん発言するわけもなく、末席の末席で、ただ緊張しながら、お話を伺う。緊張からか料理の味もよくわからない。たぶんうまい。
その会に仔犬のように居座るなかで、何か一緒にやりましょうと声を掛けてくれたのが、岡村プロデューサー。

岡村プロデューサーと何個か一緒に映画を企画するが、なかなか実現せず、月日は流れる。
しばらく交流出来てなかったが、久々に電話が鳴る。
「お願いしたい企画がある」
という事で、企画を伺いに、銀座の寿司屋に行ったのが、『ラスト・ホールド!』の始まり、2016年秋です。

『ラスト・ホールド!』は、今年の松竹ラインナップ邦画実写で『曇天に笑う』と『妻よ薔薇のように 家族はつらいよⅢ』の間、5/12に公開します。キッカケを与えてくださった山田洋次監督、本広克行監督の作品に偶然にも挟まれるのです。